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地球化学講座では、様々な化合物、化学元素、同位体を用いることで、人類活動を含めた地球環境の解明を目指しています。
現在、地球外物質(隕石など)を研究する「宇宙化学」、地球物質を研究する「地球化学」、人間活動と地球環境の関わりを研究する「環境化学」の3つの柱を立てて、研究・教育を行っています。
希土類元素は,類似性と系統的差異をあわせ持つ一つの元素群であり,自然界の現象を解明するトレーサーとなります.
希土類元素に固有の4f電子の量子化学効果に着目して,石灰岩,深海マンガン団塊,海水,河川水,火成岩,堆積岩などの形成過程に於ける希土類元素の化学的挙動について,実験的,理論的研究を進めています.
環境を評価するためには,天然試料の化学分析を通した地球化学的な研究が必要不可欠です.
現在,伊勢湾や三河湾などの閉鎖性海域の環境評価に対する生物試料(二枚貝や藻類など)の有効性を検討する研究や,モンゴル・ウランバートルの大気汚染・環境水汚染の実態解明を目的とした研究を展開しています.
遠く離れた宇宙空間に漂う星間分子を調べる唯一の方法は分光観測です.既存の電波望遠鏡による観測のみならず,従来にない全く新し赤外線分光観測装置を大学院生とともに自ら開発し,私たちの想像を超えた新種の星間分子の発見を目指します.
また,観測で得られた情報を正しく解釈するために,最先端の実験技術を駆使し,宇宙環境に特有の不安定な物質を実験室で合成しています.
有機化合物は,宇宙空間からマントルに至るまで存在する.単純な有機化合物を出発物質とした衝突実験による複雑な有機物の生成機構,地球深部有機物の分布と起源,変成過程における有機化合物の進化過程などについて検討しています.
放射壊変起源のSr,NdやFeなどをトレーサーとして,大陸・海洋の古環境変動を研究しています.これらの元素の同位体情報は,陸起源物質の化学進化や,海洋域への寄与の大きさを見積もるために重要な情報となります.過去の地球環境の変遷を知ることは,未来の地球環境を予測するため必要不可欠です.