トップページ > 大気水圏科学講座
地球表層の大気・海洋・陸域における,物質循環や気候変動についての,物理と化学の手法を組み合わせた観測やモデリングに関する,総合的な教育・研究を行っています。
大気・海洋・陸域やそこで進行する人間活動も含めた生物活動について、物理、化学、生物などを複合的に利用した研究と教育を行い、地球表層環境システムを包括的に理解し、過去・現在・未来の地球環境の動向を把握することを目指しています。
野外調査、室内実験、データ解析、数値モデルなどを通じて、地球環境変動に関わる様々な物理・化学・生物学的プロセスを理解し、大気・海洋・陸域間における物質循環の諸過程とその変動の多様性を解明し、温室効果気体・オゾン・エアロゾルなどの大気組成変動および雪氷変動の解明・予測を目指しています。
温室効果気体・オゾン・エアロゾルなどの大気組成変動の解明・予測を目指し、以下に挙げるテーマを中心に、基礎的・応用的な教育・研究を展開しています。
大気中の物質および関連する化学反応過程を軸とした全球規模の数値シミュレーションや衛星データを解析することによって、大気環境や気候変動を明らかにする研究を行っています。また、先端計測技術を活用した野外観測や室内実験による大気エアロゾルの化学的・物理的な特性や、その組成に関与する反応過程を明らかにする研究、大気中の温室効果気体、オゾン、窒素酸化物などの起源や挙動を明らかにする研究などを行っています。
ミクロスケールの雲粒、数キロメートルスケールの積乱雲から千キロメートルスケールの台風まで、雲や降水(雨・雪)の様々なスケールの現象の把握を目指し、気象レーダ・気球・航空機を用いた観測と雲解像数値モデルを用いて研究を行っています。最新の衛星搭載のレーダや地上設置のレーダを利用した研究を実施しています。また、多様な衛星観測装置を縱橫に用い、衛星データ解析の新手法開拓にも挑んでいます。
地球上の生命活動によって駆動される物質の循環速度を、軽元素安定同位体指標を使って定量化することで、環境の自己修復能力の理解などにつなげています。地球環境や人間の生活環境の変化に大きく関わる環境物質の起源や、大気・海洋・陸域における循環速度の解明、人間活動の環境負荷量定量化などに挑戦しています。
サンゴや木の年輪の化学分析を行うことによって、過去数百〜数千年間の古気候や海洋環境を復元する研究を行っています。また、アイスコアや微化石の同位体比分析を使って、さらに古い時代まで遡った古気候・古環境を復元する研究を行っています。また、地球規模の水循環変動や乾燥地災害に関する研究も行っています。
船舶観測や係留系実験、リモートセンシング技術によって、海洋の生物活動の役割や炭素・窒素循環に着目した研究を行っています。また、世界各地の環境・災害問題に対応すべく、大気・海洋・波浪結合モデルの発展と応用研究を進めます。
雪氷に関わる様々な現象について、メカニズムの解明と気候変動に対するレスポンスを視野に、実験、観測、モデル構築という多角的な手法で研究を展開しています。現地観測と衛星データから、氷河変動の解明を進めています。高山域でのアイスコア掘削と古環境復元、南極内陸の積雪の安定同位体研究に取り組んでいます