2018.8.7
「地球環境科学と私」第二回は地球史学講座 博士前期課程 2 年 原 巧輔さんによる「私のルーツ」です.
私は今現在, 地球環境科学専攻の地球史学講座に属しています. その中でも化石や現 生種を用いて生物の進化の歴史について研究を行う古生態学を専門としています. そんな 私が何故この分野に興味を持ったのか今回書かせていただこうと思います.
ルーツとして挙げられるポイントはいくつかあるのですが, 最も古いものはおそらく幼 稚園に通っていた時に家族で行った, 東海大学自然史博物館の影響です. この博物館は 多くの古生物の化石や骨格標本が展示されており, 人間の何倍もの大きさがある恐竜類の 展示もあります. 子どもによくある話ですが, その博物館に行ってからというもの, 圧 倒的な存在感故に完全に古生物に魅了され, 図鑑やおもちゃ, 化石を欲しがるようにな ったそうです. それから毎年夏には必ず同博物館に向かうようにました.
最初は見たことのない, 現在生きている生物とはまったく異なったその生物たちが生前 どんな姿をしていて,どんな風に生きていたのか妄想を膨らますことが私の楽しみでした. しかし年を取るにつれて, 興味の対象は, 何故今の時代には絶滅して存在しないのか, 残った現生の動物は何故残れたのか, どうして同じグループの生物でも細部の形態が異な ってくるのか, といった適応と進化について変わっていきました. 色々な本や図鑑を見 るうちに, いつか自分もこの真理の一端に触れていきたいと思い, 進学してきました.
名大に来てからは, 日本各地非常に広い範囲での調査をさせてもらい, 充実した院生 生活を送ることができています. 今こうして研究をしているのも昔博物館で標本に出会っ たからこそ. 今現在特定のものに興味がない人でも, きっかけがあれば間違いなく地球 科学の虜になると思います. 地球科学はその分野の広さからきっと何か惹かれるテーマが 見つかるはずです. 学生と親身に接してくださる先生方や切磋琢磨しあえる仲間とともに 存分に研究に打ち込める日々が待っています. ぜひ地球科学を研究するために名大へ!