2020.5.21
地球環境システム学講座博士後期課程3年の土居龍成君らの「ヒノキ細根の形態特性は土壌酸緩衝能に対して感受性が高い」と題する論文が国際誌Plant and Soilに受理されOn-line版として掲載されました。
国内人工林の主要樹種であるヒノキは、経験的に貧栄養な土壌でもよく育つといわれています。しかし養分吸収を行う細い根がどのように劣化した土壌に適応しているのかについては、あまり明らかにされていません。
本研究では、土壌劣化の1つである酸性化に対して緩衝する能力の低い土壌、いわゆる酸性化の進んだ土壌と、酸性化の進んでいない土壌に生育するヒノキ林7調査地において、ヒノキ細根の形態特性を分岐位置で分ける次数分類を用いて調べました。
その結果、酸性化が進んだ土壌に生育するヒノキの細根は、同じ次数根、すなわち同じ分岐位置の根で比較すると、より細くなり、少ない養分を利用できるかたちを持っていることを明らかにしました。本研究の結果は、酸性化した土壌でヒノキが適応する様子を明らかにできた点、すなわち劣化した土壌でも生育できるヒノキの特性を明らかにした点で画期的と言えます。くわしくはこちらをご覧ください。